BIMのその先を目指して・41/樋口一希/BIMobject Japanの動向

2018年2月22日 トップニュース

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 野原ホールディングス(新宿区)は、BIMデータライブラリー「BIMobject®」を世界的規模で展開するBIMobjectAB(Malmo Sweden)と新会社「BIMobject Japan」を17年12月27日付で設立し国内向けサービスを開始した。BIMの離陸から巡航飛行へ向かうプロセスの中で、本事例のようにBIMに関連するサードパーティー的な動向に注目したい。
 (https://bimobject.com/ja

 □設立パートナーのBIMobjectは最も革新的なベンチャーを選出するアワード
lobal Red Herring 100受賞□


 17年度に創立70周年を迎えた野原グループは建設業界を中心に建材や鉄鋼関連およびセメントなどの建設資材、道路交通標識などの販売・施工を通して事業を展開、同年7月にはさらなる成長へと加速化するため野原産業株式からホールディングス化を果たした。新たな事業領域の創出とともにイノベーションを推進するべく業界プロ向け建材通販サイト「アウンワークス」「GOOD DESIGN STORE TOKYO by NOHARA」などの新規事業を積極的に展開している。
 新会社BIMobject Japanの設立パートナーであるBIMobjectは、世界で最も革新的なベンチャーを選出するアワードlobal Red Herring 100の受賞で投資家に認識されているNASDAQ OMX上場企業。証券取引所で掲示されるコード(ティッカー)はBIMとなっている。

 □膨大なBIMオブジェクト提供とともに開発・ホスティング・メンテナンス・公開・更新をサポート□

 ヨーロッパのBIMオブジェクトのデジタル・コンテンツ・マネジメントシステムであるBIMobjectサイトによると、18年2月1日現在、同サイトには世界の4万4853製品シリーズ、29万3194点ものパラメトリックBIMオブジェクトがあり、「BIMコンテンツの世界トップ企業」を標榜(ひょうぼう)している。合わせて製品メーカーへのユニークなソリューションとしてメーカー製品のデジタル・レプリカであるBIMオブジェクトの開発、ホスティング、メンテナンス、公開、更新をサポートしている。

 □あらかじめVectorworks・Revit・ARCHICAD・AutoCAD・SketchUpの各ソフト利用前提の環境を提供□

 デジタル・コンテンツ・マネジメントシステムを標榜することからもわかるように、単なるダウンロード・サイトの域を超え、膨大なBIMオブジェクトを管理、運用し、ユーザーとメーカーとのコミュニケーションツールとしての役割も果たすべくさまざまな機能が用意されている。
 「三つの簡単なステップにより、メーカーとしてデジタル戦略を設定し、BIMオブジェクトを公表することができます」として大別された機能が当初段階でアピールされている。
 ・BIMobject® White Books
 「どのようにデジタル戦略を立案し、BIMプロジェクトの推進計画を立てるのか」のWhite Booksが無料で注文できる。
 ・つながりましょう
 「BIMobject営業担当者にご連絡ください。あなたのニーズを正しく見極めて、ミーティングの予約をします。」+「お問い合わせください」とあるようにコミュニケーションツール機能。
 ・作成・共有
 「あなたのBIMオブジェクト作成をお手伝いします。また、bimobject.comで既存のBIMオブジェクトを公表することもできます。」とあるように利用可の各種ソリューションが確認できる。
 オブジェクトは実際に市場提供されている実製品の建材や設備機器で、欧米中心に1065ブランド(2月1日現在)が登録済み。
 BIMオブジェクト・カテゴリーは全22分類に整理されており、対象オブジェクトを検索しやすいように地域、利用ソフト、メーカーなどをチェックボックスで指示すると絞り込み表示が可能となっている。
 「Vectorworks Architect 2017 service pack 1」に同梱されているとともに、RevitやARCHICAD他、AutoCADやSketchUpの各ソフト上からbimobject.comにアクセスすれば、BIMオブジェクトをダウンロードできる無料のアプリも提供されている。〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)