高度経済成長期に整備された我が国の港湾施設が老朽化するなか、旅客輸送面では増加するクルーズ船や旅客受け入れのための港湾整備や賑わいのある港が求められている。大型コンテナ船基幹航路の寄港地づくりは、国際港ネットワークとしてアジア近隣諸国が競う舞台だ。洋上海域も含めた港湾空間の利用再編や面的再開発には、臨海部産業の構造転換、新たな物流産業立地、エネルギー拠点などが期待される。情報化技術を港湾運営や建設・維持管理へ活用する時代も訪れるだろう。日本の港を戦略的に高度化する施策とプロジェクトが動きだしている。