近畿2府5県の2020年度当初予算が出そろった。令和最初の予算編成となった本年度は、歳入面で昨年10月からの地方消費税の税率引き上げに伴う税収増を見込んでいるものの、社会保障関係経費の増加や昨今の景気動向を踏まえ、多くの自治体は依然として厳しい財政状況にあるとの認識を崩していない。その一方で、近畿圏における社会資本整備の状況を見ると、老朽化したインフラの維持管理・更新事業や、頻発・激甚化する自然災害を見据えた防災・減災対策が喫緊の課題となっているだけでなく、「日本のリーディングエリア」として関西を復権・躍進させるためのインフラ整備や都市機能の強化・高度化なども重要な視点となっている。今年の「近畿の予算企画」では、2府5県の建設事業を展望するとともに、全府県市の予算額と近畿圏の主要な営繕事業を紹介する。