6月は土砂災害防止月間

2020年6月19日 特集

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 6月は土砂災害防止月間。国土交通省と都道府県は、「みんなで防ごう土砂災害」を運動テーマに、土砂災害に関する防災知識の普及や警戒避難体制整備の促進など、さまざまな行事を都道府県・市区町村と連携して実施する。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、本年度は多くの住民、関係者が参加する統一的な訓練は見送る。
 わが国は、自然災害が発生しやすい地形や気象条件を持ち、土砂災害だけでも毎年1000件以上起きている。2019年は過去4番目に多い1996件が発生し、死者・行方不明者は23人となった。近年、土砂災害は頻発化、甚大化する傾向にあり、砂防施設によって被害を防いだ事例があるものの、ハードだけでなくソフト対策の充実が不可欠な状況だ。行政主体だけでなく住民が主体になった防災対策に転換し、自らの命は自らが守るという『自助』の意識を浸透させなければならない。
 19年に相次いだ災害の中には、土砂災害警戒情報の発令を受けて避難したことで、その後の土砂崩れに巻き込まれず、最悪の事態に陥らなかったケースもあった。
 本格的な雨期入りを前に行われる土砂災害防止月間を、住民自身がとるべき避難行動や避難経路の浸透、情報伝達方法体制の整備や確認を行う機会としたい。