東京五輪・パラリンピックや2025年大阪・関西万博の開催などを見据え、日本の成長と発展への期待感が高まっていたが、新型コロナウイルスの世界的流行により、日本経済は大きな打撃を受けた。その立て直しには相当の時間が必要であり、先行き不透明だが、どのような状況下でも豪雨や地震など自然災害への備え、国土強靱化の取り組みは停滞させてはならない。 将来の発展を見据えた成長戦略も確実に進める必要がある。近畿地方は首都圏や中部圏に比べ、環状道路整備の遅れが指摘されている。3月に大阪都市再生環状道路の一部を形成する阪神高速大和川線が全線開通するなど、ネットワークの充実が図られてきたが、淀川左岸線延伸部や大阪湾岸道路西伸部などのミッシングリンク区間も残る。 関西のさらなる発展には、道路をはじめ基盤となるインフラ整備を必要な予算措置を講じて着実に展開し、魅力ある関西の持つポテンシャルを最大限発揮させていかなければならない。 本年度の近畿地方整備局事業推進企画では、井上智夫局長にインタビューし、安全で快適な暮らしの実現や地域の活性化に欠かせないインフラ整備、防災・減災対策の現状に加え、これらを支える建設産業の持続的な発展に向けた取り組みなどを語ってもらった。また、事業トピックスとして新規事業化プロジェクトなどを紹介するとともに、日ごろから道路や河川、港湾、営繕事業などを通じて、魅力と活力ある地域づくりに尽力している近畿地方整備局の各事務所長・室長に事業概要や展望などを聞いた。