東日本大震災の発生から来年3月で節目となる丸10年になる。福島第1原発事故の影響で復興が遅れている福島を除いた東北の被災地では、本年度末までにインフラ整備や住宅再建などのハード対策をおおむね完了できるよう、急ピッチで工事が進んでいる。東北では近年、他の地域に比べ少なかった大規模な水害も増えており、昨年10月の台風19号では宮城、福島両県を流れる河川で堤防の決壊が多発した。災害に強靱な東北の実現には震災復興事業と並行しながら必要なインフラ整備や災害初動対応など、ハード・ソフト両面でさらなる充実強化を進める必要がありそうだ。東北の安全・安心を守るための課題や方策をさまざまな観点から探ってみた。