近畿地方整備局が兵庫県北部で整備を進めている北近畿豊岡自動車道(豊岡市~丹波市、延長73km)のうち、豊岡市内を走る日高豊岡南道路(但馬空港IC~日高神鍋高原IC間6.1km)が完成し、1日に開通した。豊岡市の中心市街地近くまで高速道路が延び、京阪神からの移動時間が短縮。観光の活性化が期待されるほか、災害時には緊急輸送道路としての役割も果たす。
北近畿豊岡自動車道は但馬地域と丹波地域を結ぶ高規格幹線道路。日高豊岡南道路は2017年3月に供用した八鹿日高道路(八鹿氷ノ山IC~日高神鍋高原IC間9・7キロ)の延伸区間で、06年1月に都市計画が決定し、06年度に事業化した。10年度には用地買収に着手。12年5月に起工式を行い、本格的に工事を始めた。今回の開通で全体の9割区間(65・9キロ)が完成し、残りの区間は豊岡北IC(仮称)までの7・1キロとなる。
但馬地域には城崎温泉や神鍋高原など多くの観光資源があり、京阪神との交通アクセスが向上したことで、さらなる観光の活性化に期待がかかる。3次救急医療機関である豊岡病院からの30分圏域人口カバー率も拡大。標高の高い位置を通過するため、水害の影響を受けにくく、災害時は緊急輸送道路としての機能を備える。
工事区間には上佐野トンネル(延長1231メートル)、竹貫トンネル(502メートル)、水上トンネル(531メートル)、祢布トンネル(595メートル)の4本のトンネル、八代川橋(橋長269メートル)や山本高架橋(266メートル)、祢布川橋(159メートル)など11カ所に橋梁が整備され、構造物は全体の6割以上を占める。途中に日高北ICを設置した。総事業費は約498億円。暫定2車線での供用となる。大阪から城崎温泉までの所要時間は約4分短縮する。
但馬空港IC以北では豊岡IC(仮称)までの豊岡道路(2キロ)が整備中。20年度には豊岡北IC(仮称)までの豊岡道路2.期(5・1キロ)が事業化した。