パナソニックライフソリューションズ社は、BIMの3次元データ上で照明のシミュレーションなどを高速で行える照明設計用ソフト「Lightning Flow(ライトニングフロー)」を3月31日からホームページ(HP)上で試験的に公開していたが、今般、本格的な照明設計が可能となるアップデートを行ったと公表した。
□高速相互反射計算システムによりBIMの3次元データ上の照明の光の効果を瞬時に確認できる□
BIMの普及に伴い、建物3次元モデル内を自由に移動しながら設計要件を確認するビジュアライゼーションや、目に見えない気流のシミュレーションなどにおいてデジタルデータが多様な用途、目的に活用されている。
一方で、照明デザイナーや建築設計者などが対象施設の使用目的や環境などに合わせて配置する照明の種類、明るさ、台数などを計画・デザインする照明設計では、配置された光源と周囲の物体で光の反射や光色などが複雑に影響し合うため、見え方の正確な再現が困難で、照明を配置するたびに膨大なデータ処理時間を要するなど効率的な作業ができない現況があった。
Lightning Flowは、独自開発した高速相互反射計算システムによりBIMの3次元データ上に配置した照明の光の効果を瞬時に反映、確認できるソフトウエアだ。オートデスク社のBIMソフト「Revit」と連携し、照明器具の配光や取り付け方向、周辺の物体への反射、太陽光の影響などを3次元データ上で確認しながら照明設計が可能となっている。今回のアップデートによりLightning Flowに最適化した約2万種の照明器具データが活用でき、より精度の高い照明設計が短時間で可能になった。
□BIMデータをLightning Flow上で確認・調整し、再度BIMデータ上に反映できる□
RevitとLightning Flowとの連携方法については、Revitで作成したBIMデータをLightning Flow上で確認、調整し、その内容を再度Revitのデータに反映できるとともに、今回のアップデートによって平面図上に照明器具を効率的に配置できる「ルミナスプランナー」との相互連携が可能となった。これによってRevitで作成したBIMデータにルミナスプランナーで照明器具を一括配置し、Lightning Flowでイメージの確認、調整を行うといった効率的な照明設計が可能となる。
□確認箇所を動画として出力することも可能となるなど関係者間の素早い合意形成をサポート□
3次元データ内を移動しながら完成イメージを確認したり、動画共有するなど素早い合意形成をサポートしている。照明設計では、完成時のイメージを関係者間で共有し、合意形成することが極めて重要となる。半面、完成イメージを視覚的に共有するためには、従来、個別にパース図を作成するなど多くの手間とコストが必要であった。Lightning Flowは、作成した3次元データ内を移動しながら確認箇所を視認でき、それらの様子を動画として出力することも可能となるなど素早い合意形成をサポートしている。
《Lightning FlowHP》
https://www2.panasonic.biz/ls/cec/LF/LF.html
□DXF・JPG・DWG・PDFの読み込みにより図面を確認しながら部屋・エリア・器具配置を設定□
ルミナスプランナーは6月21日付でバージョン7.5が公開されている。バージョン7.5では、Revitとの連携機能、Lightning Flowとの連携機能(有償)、遮光面の設計機能などの強化が行われるのと合わせて、DXFやJPGの読み込みが実現しており、バージョン7.4からのDWGとPDFの読み込みも可能になっている。これによって図面を確認しながら部屋・エリア・器具配置を設定することができる。
有償機能はライセンス認証を実施することで有効となる。有償機能の購入、利用については公式HPを参照のこと。
《「ルミナスプランナー・バージョン7.5」HP》
https://www2.panasonic.biz/ls/cec/lp/lp7.html
(毎週木曜日掲載)
〈アーキネットジャパン事務局〉