デジタルで建設をDXする・81/樋口一希/3次元点群データから図形データ作成

2022年10月27日 ニュース

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 オプティム(東京都港区)は、3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」の無料オプションである図化アプリ「OPTiM Geo Design」のアップデートを行った。OPTiM Geo Scanで取得した3次元点群データから平面図、縦断図、横断図を作図するための図形データをOPTiM Geo Designで作成できるよう機能改善している。
□3次元点群データを「OPTiM Geo Design」に出力し図形データ作成□
 起工測量や出来形測量を行う際には、平面図や縦横断図を用いて現況把握するが、OPTiM Geo Scanで取得した3次元点群データを自動的にOPTiM Geo Designに出力し、OPTiM Geo Design上で図形データを作成できるようになった。図形データは、CADソフトで一般的に用いるDXF、シェープファイル(※1)、GeoJSON(※2)形式での出力が可能だ。
 ユーザーは、高価な3次元点群データの処理専用ソフトの購入が不要となり、図にあるように、3次元点群データの取得から2次元図面の作成に必要な図形データの出力までを一気通貫で行えるようになっている。
 直感的な操作が可能なシンプルで使い勝手の良いユーザー・インターフェースを採用しているため、専門知識を持たない初心者でも容易に使いこなすことができる。高度なデータ処理技術を有した人材が不要となり、教育コストの大幅な低減と合わせて生産性の向上、費用対効果の改善を実現する。
□無料オプションの「OPTiM Geo Design」はWeb版から利用が可能□
 OPTiM Geo Scanは、iPhoneなどの3次元スキャン機能「LiDAR(ライダー)センサー」を用いて土構造物などの測量対象をスキャンすることによって、土木現場で求められる高精度な3次元データを生成するアプリケーションだ。専門知識を持たずとも手軽に測量ができ、取得した3次元データはxyzRGB(※3)とLAS(※4)形式で出力可能だ。このように既存の測量手法をデジタル化することで測量時間や費用の削減を実現し、土木現場の生産性向上に貢献する。
 OPTiM Geo Designは、OPTiM Geo Scanで取得した3次元点群データやGNSS測量・杭打ちアプリ「OPTiM Geo Point」などで取得した座標データをOPTiM Geo Designのマップ上に表示し、任意の点を選択することによって容易に図形を作成できる図化アプリだ。
 測量データ(CSV)の読み込みと図形データの作成・出力機能を有しており、測量から図形データ作成までがワンストップで完結する。OPTiM Geo ScanのWeb版から利用可能で、OPTiM Geo Scanの無料オプションとして提供されている。
(※1)シェープファイル(Shape File)=図形情報と属性情報を持った地図データファイルを集約したファイル。米国ESRI社が提唱するベクターデータの記録形式の一つでGIS業界の標準フォーマットとして多くのGISソフトウエアでの利用が可能。
(※2)GeoJSON=さまざまな地理データ構造をエンコードするための形式で、JavaScript Object Notation(JSON)に基づいている。
(※3)xyzRGB=国際電気標準会議(IEC)が1999年に定めた国際標準規格。点群データを3Dプリンターなどへ出力する際に用いる。R(赤)・G(緑)・B(青)は光の三原色。
(※4)LAS(LIDAR Data Exchange Format)=点群データを受け渡しするための公開規格ファイル形式。
〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)