明るい未来を切り開く建設産業のために
日刊建設工業新聞は10月15日、創刊95周年の節目を迎えました。
1928(昭和3)年の創刊以来、社会資本整備や街づくりを担う建設産業、官公庁、自治体などの方々にご愛読いただき、心よりお礼を申し上げます。
昨今の国内外の情勢に目を向けますと、気候変動に伴う自然災害の激甚化・頻発化に加え、ロシアのウクライナ侵攻など地政学的リスクに伴う社会・経済への影響が世界規模で広がっております。日本では少子高齢化による生産年齢人口の減少をはじめ、公共インフラや建築物の老朽化対応、旧来の商慣習や社会システム等の不具合・機能不全の顕在化など、さまざまな課題が山積しており、建設産業にも変革が迫られているところです。
こうした背景を踏まえ、建設産業の今後を展望する創刊95周年記念特集号を12月まで3回に分け、来年3月にはオンライン・セミナー「建設未来フォーラム」の採録特集をそれぞれ発行します。今回の第1集のキーワードは「変革展望」とし、第2集「持続可能性」、第3集「異分野融合」でもそれぞれの切り口で建設産業の未来ビジョンを探っていきます。
本特集でのメインタイトル「国のかたちを考える」は、東日本大震災が発生した2011年から展開しているキャンペーンであり、10年以上にわたって取り組む紙面制作での大きなテーマとなっています。働き方改革や生産性向上、担い手の確保・育成などといった直面するさまざまな課題に対する継続的な取り組みに加え、SDGs(持続可能な開発目標)やカーボンニュートラルなどへの対応も多様化・複雑化し、建設産業の果たすべき役割が今後さらに大きくなることは間違いありません。
日本の競争力を取り戻し、活力あふれる持続可能な国づくりに貢献する-。そうした「明るい未来を切り開く建設産業」のために、本紙は読者に有益な情報の発信と関連サービスの提供に一段と注力し、建設産業に特化した日刊全国専門紙としての価値を高め続けてまいります。今後もご理解とご協力を賜りたくお願い申し上げます。
日刊建設工業新聞社 取締役社長 飯塚秀樹