2024年は元日に石川県・能登半島でマグニチュード7.6規模の地震が発生した。震度7を記録した地域もあり、石川県珠洲市では最大4m以上の津波を観測した。北陸の日本海側では広範囲で家屋の倒壊や道路陥没、斜面崩落など大きな被害が発生した。関東エリアでも首都直下地震が、いつ発生してもおかしくないと指摘されて久しい。年頭から防災対策や国土強靱化の必要性が再認識させられるスタートとなった。災害が発生する度に建設業の地域貢献がクローズアップされる。今回の能登半島地震でも道路啓開など先陣を切った活動が報告されている。地域建設業の重要性が脚光を浴びる一方、4月には時間外労働上限規制の適用が始まる。人手不足に加えて適正利潤の確保など不安を訴える地域建設業者は多い。いつ発生するか分からない災害への備えで地域建設企業の存在は必要不可欠だ。重機や人員を確保するためには健全経営も必須となる。浜銀総研は24年度の神奈川県内経済見通しを「回復ペースがやや加速する」と見る。「成長率も全国を上回る」と明るい予測だ。県内では横浜市の旧上瀬谷通信施設跡地での花博開催と花博後の大型テーマパーク建設、川崎市の臨海部再開発、相模原市のリニア新駅周辺開発など長期的な大規模プロジェクトが動き始めている。時間外労働上限規制適用開始を目前に控えた神奈川労働局の動きや、県内の大規模プロジェクトの動向などをまとめた。