鹿島/六本木・虎ノ門地区D街区開発(東京都港区)、国際的な居住・生活支援施設に

2024年6月26日 工事・計画 [4面]

文字サイズ

 鹿島が東京都港区で計画しているホテルオークラ別館跡地の整備で、具体的な内容が明らかになった。高さ225メートルの超高層ビルは大半を賃貸・分譲住宅とし、国際水準のホテルも配置。敷地南側は緑豊かな広場に充て、中央に設ける施設には多言語対応の医療機能などを入れる。全体として国際的に活躍するビジネスパーソンなどをターゲットにした生活拠点施設となる。2025年度の新築着工、30年度以降の竣工を予定する。
 整備内容は24日開催の区議会建設常任委員会に報告された。計画地は六本木1、虎ノ門4(敷地面積約9940平方メートル)。東京メトロ日比谷線神谷町駅から徒歩約6分に位置する。地区計画上の位置付けは「六本木・虎ノ門地区D街区」。
 建物は直方体で各階に彫りの深いファサードを備えた、タワーマンションのような形状になる。1階には白く特徴的なひさしを設ける。住宅やホテルは、大使館や外資系企業が多い立地を踏まえ、国際的に活躍する外国人などの需要を見込む。ゆとりのある広さや高い天井高を確保し、配車などのコンシェルジュサービスも充実させる。
 外皮性能の向上や高効率設備の導入に取り組み、ZEH Orientedの水準を達成する。建築環境総合性能評価システム(CASBEE)ではSランクの水準。国産木材も積極的に取り入れる。
 広場中央に建てる低層の生活支援施設は「スクエア」と呼ぶ。輸入品を扱うスーパーマーケットや、外国語対応の医療施設を入れる。
 広場は敷地を東西に横断する歩行者通路としても機能する。地形が東西に傾斜しているため、一般の人が使えるエスカレーターやエレベーターも設ける。広場にはかまどベンチやマンホールトイレを設置。帰宅困難者の一時滞在施設も確保する。
 建物は地下5階地上54階建て延べ14万7500平方メートルの規模となる。区は開発に合わせ、24年度中に対象地の地区計画を変更する。