回転窓/地域ブランドを支える

2024年6月26日 論説・コラム [1面]

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 さくらんぼは6月に旬を迎える品種が多い。日本有数の産地である山形県が今年はPRに一段と力を入れている▼出荷が最盛期に入った人気の「佐藤錦」とともに、山形県は2023年から市場に本格的に出回るようになった大玉の新品種「やまがた紅王」を推しているという。20日にはその大きさを競うコンテストが寒河江市の最上川ふるさと総合公園で行われた▼山形県内には、さくらんぼと関わりの深い建設会社も少なくない。山形新幹線のさくらんぼ東根駅がある東根市に本社を置くある建設会社は、耕作放棄地の一画に新社屋を建てた▼新社屋の設計は、さくらんぼの手入れを手伝ってもらえたり、子どもたちが宿題をやったりと、地域に開かれた建物をコンセプトにしたそうだ。23年9月に完成し、今春に新社屋となって初の新入社員を迎え入れた▼山形県でのさくらんぼ栽培は1875(明治8)年に始まり、来年に150周年を迎える。長い歴史の中で、地域を挙げてブランド価値の形成と向上に努めてきたからこそ今日があるのだろう。そうした守り手、担い手の地道な努力と行動が地域の魅力を支えていく。

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