大阪府岸和田市/市庁舎建て替え福祉総合センター隣接地に、26年度に事業者選定

2024年6月27日 工事・計画 [18面]

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 大阪府岸和田市は、老朽化が進んでいる市庁舎(岸城町7)の建て替え計画について、26日に開かれた市議会庁舎建設特別委員会に新たな庁舎建設の考え方を示した。建設予定地の現庁舎付近に活断層があり、3月議会で南海岸和田駅近くの市福祉総合センター隣接地への変更を全会一致で付帯決議されたのを受け、計画の見直しを検討していた。現庁舎の別館は上下水道局が使用を続けることで建物規模を抑え、駐車場は平面式にすることで事業費を縮減するとともに、工期を短縮する。2025年度までに新たな基本計画をまとめ、26年度に事業者を選定する。
 当初計画では現庁舎の第2駐車場や上下水道局駐車場などがある北側敷地(約4500平方メートル)に延べ床面積約1万3400平方メートルの新庁舎建設を想定。事業手法は基本・実施設計・施工一括(DB)方式を採用し、23年7月に公募型プロポーザルで事業者の選定手続きを始めたが、参加表明者が辞退届け出書を提出し、手続きを中止した。
 市議会の一部議員からは建設予定地が活断層に近く、高潮の浸水想定区域に含まれるため、当初計画に反対する声が上がり、3月議会で24年度当初予算案が否決された。暫定予算案は可決したが、その際に建設予定地の変更を要望する付帯決議が全会一致で採択された。
 当初計画の見直しでは、現庁舎の旧館と新館、別館、第2別館の各部署に加え、分散していた執務室の集約を検討したが、規模が2万平方メートルになり、事業費が216億円と多額になるため、新たな考え方を再検討し、別館は残すことにした。ビル全体を賃借していた第2別館は契約を終了する。
 新たな考え方では、市福祉総合センターに隣接する市有地に延べ床面積約1万6500平方メートルの新庁舎を建設する。駐車場は一部の緊急車両を除き公用車用の大半を民間から借りることで福祉総合センターを含めた必要台数を敷地内に確保する。平面式を採用し、立体駐車場は整備しない。事業費は148億7000万円まで削減する。ただ、資材価格の高騰や人件費の上昇などで今後増える可能性もある。
 25年度中に基本計画を改定し、26年度に事業者を選定した後、27年度から設計を始め、31年度の竣工を目指す。事業手法はDB方式を想定する。
 完成後、旧館と新館を解体撤去する。今後、跡地利用も検討する見通しだ。