内閣官房/国土強靱化年次計画、5か年対策累計12・5兆円確保

2024年6月27日 行政・団体 [2面]

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 内閣官房は20日、国土強靱化推進会議(議長・小林潔司京都大学名誉教授)を東京都内で開き、国土強靱化年次計画2024の案をまとめた。政府の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の4年目で累計約12・5兆円を確保すると明記。能登半島地震の検証から、国の公共工事で快適トイレの標準化や、操作の遠隔化・自動化などを必要な取り組みに挙げた。
 同計画2024は、近く国土強靱化推進本部(本部長・岸田文雄首相)が決定する。案によると、同計画は24年度の国土強靱化の取り組み、各施策グループの推進方針、進捗管理などで構成する。
 国土強靱化の取り組みでは▽防災インフラの整備▽ライフラインの強靱化▽デジタルなど新技術の活用▽官民連携強化▽地域防災力の強化-の五つを施策の方向とした。政府の経済財政運営と改革の基本方針2024(骨太の方針)に基づき、5か年加速化対策の後継となる国土強靱化実施中期計画は「24年度の早期に策定に取り掛かる」とした。全国の99%に相当する1732市町村が策定した国土強靱化地域計画に基づく対策を促す。
 政府が行った能登半島地震の検証を踏まえ、「必要な施策」にソフト・ハードのさまざまな取り組みも列挙した。ドローンによる被災状況の把握、被災地に車両・資機材を輸送するための自衛隊を含めた関係機関の体制構築などを挙げた。無人ロボットや操作の遠隔化・自動化は、復旧などの活動を円滑化する「有効な新技術」となっている。
 各施策グループの推進方針には、関係省庁が実施する目標別の35施策が並んだ。流域治水対策(国土交通省、農林水産省、財務省)、盛り土の安全確保対策(農水省、国交省、環境省)、道路ネットワークの機能強化対策(国交省)などを推進していく。
 現行の5か年加速化対策は21~25年度におおむね15兆円(国費7兆円半ば)が投じられる。24年度は約3・06兆円(国費約1・52兆円)で、全体の83%が執行される見通し。