全建/会員の高卒採用を支援、特有ルールや要点周知

2024年6月27日 行政・団体 [1面]

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 全国建設業協会(全建、今井雅則会長)は会員企業の高卒採用を支援する。都道府県ごとに採用活動の時期や1社当たりの採用人数が違うといった高卒採用特有のルールや、採用に当たってのポイントやアドバイスなどをまとめ、会員に周知。全建会員の主要人材である高卒者の採用を支援し、人材確保につなげる。全建が高卒に特化した採用支援に乗りだすのは初めて。
 採用の基本として、都道府県ごとの採用活動時期の違いや、求人に必要な手続きなどをまとめた。求人票の書き方では「建設業としての自社の魅力を積極的にPRすることが重要」と助言。資格取得支援の制度や、働きやすさの指標となる「くるみん認定」「えるぼし認定」といった各種認定マークなどが求人票に表示できることも盛り込んだ。
 高卒採用は教員が求人の窓口になるなど、大卒採用と異なる点が多い。一定規模の会員企業は毎年高卒採用をしており、事情を把握しているのに対し「小規模の企業は毎年採用を行えないため、高卒採用のノウハウがない企業もある」(全建)。人材獲得競争が激化する中、全建は高卒採用支援をまとめた。
 厚生労働省によると、2023年3月の高卒者のうち建設業への就職者数は前年度比8・9%減の1万1237人。建設業の高卒求人数に占める充足率は13・9%にとどまる。全産業平均の28・5%を下回り、産業別で最も低くなっている。