沖縄県/中部病院建て替えで現在地が適地、全体規模は延べ6・7万平米見込む

2024年7月4日 工事・計画 [13面]

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 沖縄県は、老朽化などが課題となっている県立中部病院(うるま市宮里)の建て替えに向けた「県立中部病院将来構想」の案を公表した。病院が担うべき役割・医療機能と特有の機能を合わせた適正延べ床面積を5万7700平方メートルと算出。将来的な患者の増減率などの影響を加味して算定した結果では6万6500平方メートルを見込む。施設整備が早期に実現可能な用地を確保する必要があるとして、建て替えは現在地が適地とした。
 将来構想案では、特に南病棟は耐震基準を満たしていないことから早急な対応が求められていると指摘。中部医療圏では将来的な医療需要の増加が見込まれており、これらを踏まえ現在地での建て替えを進めるとした。
 適正延べ床面積は、将来643床まで増床すると想定した場合まで試算。このほかにロボット搬送を導入する際に必要な共用部分の確保やSDGs(持続可能な開発目標)を踏まえた多様性のある施設計画が考えられるとしたが、具体的には基本計画で検討するとした。
 構想案は8月2日まで一般意見募集を受け付け、同月中の構想策定を目指す。県は南病棟の早期建て替えに向け、可能な限り早く基本計画の策定に取りかかりたい考えで、9月にも基本計画策定業務の委託先を選定する公募型プロポーザルを公告する。
 基本計画にはローリング工事で行う必要がある現在地建て替えの施工計画や概算事業費などを盛り込む予定で、約1年かけて策定するとしている。その後、基本設計を進める。
 現在の中部病院の規模はSRC一部RC造地下1階地上7階建て延べ3万5609平方メートル。標ぼう診療科目は40科、病床数は559床。建物のうち南病棟(5階建て延べ6137平方メートル)は1981年に完成し老朽化しているが、これ以外は2001年に完成した。
 将来構想検討業務はシップヘルスケアリサーチ&コンサルティングが担当。