回転窓/日記と天気

2024年7月4日 論説・コラム [1面]

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 もうたばこは吸わないと「禁煙」を決意してから日記を付けている。何とかめげずに「卒煙」できた後も続けていて、読み返すと夏の時期には豪雨など天候のことを書いている日が多い▼今年の梅雨明けは沖縄を除きもう少し先のよう。懸念されるのは大規模水害を引き起こす線状降水帯の発生だ。奈良県十津川村で1日、大雨による土砂崩れで道路が寸断し住民17世帯が孤立した▼線状降水帯の予測精度を高めるため、気象庁はスーパーコンピューターを投入し、従来の11地方予報区を府県単位に切り替えて半日程度前から警戒を呼び掛けている。大雨による河川増水に悩まされてきた福島市は、レーダー雨量などの実績値を基に15時間後の河川水位を予測するシステムを使い、早期の避難誘導に役立てている▼気象情報大手のウェザーニューズはオムロンと共同で湿度や風速などを計測する気象センサーを販売。1分ごとの大雨や強風が観測でき、気象の変化を迅速に把握できるという▼ここ数年で進歩を遂げている気象予測技術を活用して災害リスクの低減につなげたい。今夏は日記に災害のことを記さないですむよう願う。