茨城県日立市は、JR常陸多賀駅周辺地区のまちづくりの将来像をまとめた。駅舎と東西の市街地を結ぶ自由通路を一体的に改築。東口交通広場や広場にアクセスする道路なども整備する。いずれも2026年度中に着工する見通し。整備完了後、駅周辺の低未利用地の活用や市民ニーズの高い機能の誘致、導入を進める。整備・運営手法は官民連携を検討するという。
事業地の活用方針などを定めた「グランドデザイン」を6月26日に公開した。公共施設が集積するエリアと、河原子海岸の中間にある駅前空間をにぎわいと交通の起点に位置付けた。
グランドデザインによると、多賀地区の玄関口となる駅舎周辺は、カフェや飲食点、まちの魅力を発信する情報発信機能を整備する。
東口は交通広場に至る南北からのアクセス道路や、既存市道の付け替えなどを行い、アクセス性や防災性を高める。さまざまな世代の人が集い、憩いの場となる多目的広場も計画している。
西口北には生活利便機能や、図書・学習機能、若者・まちづくり支援機能などを配置。西口南は、交流・飲食機能やオープンスペースなどを設けるという。
駅舎や自由通路は23~26年度に基本・実施設計をまとめる。東口の広場や道路は、24年度までに測量調査と詳細設計を終え、同年度から用地取得や物件移転を進める見通し。
デザインコンセプトを統一するため、市は22年に「デザイン監修」としてマウントフジアーキテクツを選定している。
同駅周辺地区のまちづくりを巡っては、20年に市が「常陸多賀駅周辺地区整備計画」を策定した。日立駅と並んで市の重要な都市拠点となる。交通結節機能の強化や市街地再生などを進め、都市拠点としての機能を高めていく。