愛知県/最新知見で南海トラフ地震被害予測、7月中に調査業務委託手続き

2024年7月5日 工事・計画 [7面]

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 愛知県は、本年度に着手する南海トラフ地震被害予測調査の基本的な枠組みをまとめた。国が見直しを進めている新たな被害想定との整合性を図りながら、最新の知見や手法を反映した基礎データを用いて被害予測を行い、今後の地震防災対策の基礎資料とする。調査期間は2年間。今月中に調査の委託手続きに入る予定。県は当初予算に調査費約9200万円を計上している。
 6月27日に開催した県南海トラフ地震被害予測調査検討委員会(会長・鷺谷威名古屋大学減災連携研究センター長)で基本フレームを決めた。調査内容は地盤データ収集、地盤モデル作成、震源モデルの検討、予測手法の検討、液状化予測、崖崩れ予測、津波予測、被害予測(建物・人的被害、ライフライン施設、交通施設など)、災害シナリオ作成、防災対策の課題の検討、減災効果の検討、地震防災対策のまとめなど。
 調査の前提として、▽過去地震最大モデルによる地震▽内閣府「南海トラフ巨大地震モデル・被害想定手法検討会」の最大クラスの地震・津波断層モデルによる地震▽南海トラフ地震の半割れケース-の想定地震を基本とする。
 被害予測調査結果から得られた課題や対策などは県の地震防災対策に反映し、対策の充実・強化を図る。調査結果は市町村や防災関係機関のほか研究者、土木・建築関係者などにも公開し、対策に関する研究や設計に役立ててもらう。