清水建設/持続可能な型枠合板使用へ、30年までに非認証輸入材ゼロ目指す

2024年7月17日 企業・経営 [3面]

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 清水建設はコンクリート構造物で使用する型枠合板のうち、2030年までに同社施工現場で森林認証制度非認証の輸入産合板使用ゼロを目指す。一般的に型枠合板はマレーシアやインドネシア産の外国産材を中心に天然林の広葉樹が多く伐採され、製作される傾向がある。天然林の減少や生態系の損失が問題になる中、同社は森林保護の観点から国産材型枠に加え樹脂製型枠など合板材以外の使用を増やし、運送時に排出される二酸化炭素(CO2)の削減にもつなげる。持続可能な型枠合板使用の仕組みを構築する。
 30年までに非認証の輸入産合板使用ゼロを目指す方針は、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)に基づく同社グループの開示情報で明らかにした。同社が21年6月に策定したグループ環境ビジョン「SHIMZ Beyond Zero 2050」達成に向けた取り組みの一環にもなる。
 同社が3月1~22日に型枠工事協力会社77社に実施した調査(回答率87%)によると、23年度に同社施工現場で使用された型枠の種類は、割合の大きい方から非認証の輸入合板52%、認証の輸入合板45%、国産合板3%、合板以外1%。全体的に認証材が正しく認識されていない傾向も分かった。
 今後は非認証の輸入産合板使用ゼロに向け、協力会社との勉強会など情報交換のネットワークを構築する。国産合板の増加や合板以外の型枠開発に注力して割合を高める。具体的に目標設定する使用材料の対象や割合などは情報収集を継続し、必要に応じてその都度見直していく。