熊本市/本庁舎建替で方針、中央区役所の移転場所は花畑町別館跡地に

2024年7月17日 工事・計画 [11面]

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 熊本市は、老朽化や耐震性能不足などが課題となっている本庁舎(中央区手取本町)の建て替えに関して、現庁舎内にあり分棟する考えを示していた中央区役所の移転場所を市役所花畑町別館跡地(花畑町、敷地面積2749平方メートル)とする方針を明らかにした。
 16日の市議会庁舎整備の特別委員会で大西一史市長が概要を説明した。
 市は6月の特別委員会で本庁舎の建て替え場所は、市の中心部にある商業施設「サクラマチクマモト」に隣接するNTT西日本の所有地(桜町、9987平方メートル)が最適地との考えを示した。中央区役所は景観やまちづくりの観点から本庁舎と分棟する方針を示し、建設候補地として、現庁舎隣の市駐車場敷地と花畑町別館跡地の2カ所を挙げていた。
 花畑町別館跡地は幹線道路に面し市有地で現在民間に駐車場として貸与している。新たな土地取得が不要で財政面や早期の工事着手が可能なことなどから市駐車場敷地に比べ優位であるとした。市の試算では、本庁舎と合わせた概算事業費は花畑町別館跡地の場合約616億円で、市駐車場敷地に比べ約13億円のコスト縮減を図れる。
 市は特別委員会の審議を経て、8月中に本庁舎と区役所の建設地を決める。基本計画の策定や基本設計、実施設計の業務を一括で委託する予定。業務では25~26年度に基本計画、26~27年度に基本設計、27~28年度に実施設計を予定している。
 委託関連費を盛り込んだ予算を9月定例会に提案する見通し。業務委託先の選定方法は公募型プロポーザルを軸に検討している。
 新庁舎の必要延べ床面積は、本庁舎延べ5万2200平方メートル(市役所延べ4万5700平方メートル、議会棟延べ6500平方メートル)、中央区役所延べ7800平方メートルと試算した。