全建会員調査/現場のICT活用、半数以上で施工管理アプリや電子黒板を導入

2024年7月19日 行政・団体 [2面]

文字サイズ

 建設現場で施工管理アプリや電子黒板などICTツールの活用が進んでいることが全国建設業協会(全建、今井雅則会長)の会員企業アンケート(4、5月実施)で分かった。中でも「施工管理アプリ(写真管理アプリ含む)の活用」は前年度調査と比べ16・5ポイント上昇し、65・0%に上った。一方、ICT施工の拡大には半数の企業が「受注者側の人材育成・体制整備」が必要と答えた。ICT施工に対する発注者側の消極的な姿勢を指摘する声も上がった。
 「令和6年度生産性向上の取組に関するアンケート」には会員企業1496社が回答。会員企業の主な受注先は都道府県(50・3%)、市区町村(19・2%)、国土交通省(19・0%)の順に多く、約7割の社が主に地方自治体から工事を受注している。アンケートでは生産性向上に向けた取り組み状況などを聞いた。
 現場のICT活用状況を見ると、生産性向上のために取り組んだこと(複数回答可)では「施工管理アプリ(写真管理アプリ含む)の活用」が最も多く、次いで「電子黒板の活用」の57・4%(前年度調査と比べ9・1ポイント上昇)、「ICT施工」の53・6%(10・3ポイント上昇)と続いた。「特にしていない」(8・8%、5・9ポイント低下)を除く全ての項目が前年度調査よりも上昇した。
 ICTツールの調達方法を見ると、自社所有の割合が高かったのは「計測機器(トータルステーション、地上型レーザースキャナーなど)」(80・6%)、「3D設計ソフトウエア」(67・0%)、「ドローン」(55・5%)など。一方、レンタルによる調達は「ICTバックホウ」(80・7%)が最も多く、高額なICT建機は外部調達する傾向があった。
 ICT施工の拡大に必要なこと(複数回答可)では、「受注者側の人材育成・体制整備」(55・3%)が最も多く、次いで「ICT建機価格等の改善を含めた体制の充実」(54・1%)、「助成制度の充実(人材育成・設備投資)」(53・4%)と続いた。自由記述では「国を含む発注者側がICT施工に消極的」「ICT建機やソフトを導入する資金が負担」などの声が寄せられた。