万博協会/「未来の都市」テーマにパビリオン、青木あすなろ建設らが協賛

2024年7月19日 行事 [12面]

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 2025年日本国際博覧会協会は17日、「未来の都市」をテーマにする大阪・関西万博パビリオンの展示内容を発表した。協会と民間企業・団体12者による共同出展で、政府が提唱する超スマート社会「Society5・0」の実現に向け、未来の都市像を示す。建設関係では青木あすなろ建設やCPコンクリートコンソーシアム(代表企業・安藤ハザマ)らが協賛する。
 展示演出のテーマは「幸せの都市へ」。施設面積は約4800メートルで長さが約150メートル。展示面積は約3300平方メートル。構造材にリサイクル可能な鉄骨とTMトラス、建築素材に膜構造を使い、二酸化炭素(CO2)を吸収するコンクリートを採用。外観の被膜はメッシュスクリーンとし、照明で陰影を描き、ミストで幻想的な雰囲気を演出する。建物の施工は太陽工業が担当。
 展示は協会が主体の「共通展示」と協賛12者による「個者展示」で構成。共通展示では「50億年 幸せの旅」と題し、長さ92メートル、高さ5メートルのスクリーン2面で人類誕生や社会の形成、未来につながる「物語」を映し出す。四つのキューブが並んだ展示では3D空間で「移動が変わる」「医療が変わる」「エンターテインメントやアートが変わる」を想像してもらう。
 子どもの頭部を模した「ロボットヘッド」に搭乗し、未来の都市を散策する仮想体験の展示も行われる。
 個者展示では「こんな明日になれば」をキーワードに、参加型の展示や映像で未来の都市を示す。青木あすなろ建設やコマツ、IHI、川崎重工業、関西電力送配電、神戸製鋼所らが▽環境・エネルギー▽交通・モビリティ▽まちづくり・ものづくり▽食と農-をテーマに展示。日立製作所とKDDIは体験型の施設を設ける。詳細は今秋ごろに発表する予定。
 青木あすなろ建設とコマツは、水深50メートルでの作業を視野に実証を進めている水中施工ロボットで「未来の水中工事」を発信。建設会社や大学、研究機関などでつくるCPコンクリートコンソーシアムはコンクリートが森林や海洋と同様に脱炭素社会に貢献するとアピールする。
 発表会の冒頭、河本健一万博協会企画局長は「どのような未来社会が誕生するのかを体験できる」と話し、企画・演出を手掛ける古見修一氏は「サイバー空間とデジタル空間を高度に融合したシステムは何かを考えた。ユニークで面白い展示にしたい」と意気込んだ。