世界貿易センタービルディングら/プロジェクト概要を公表、交通結節機能を強化

2024年7月23日 工事・計画 [4面]

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 世界貿易センタービルディング(東京都港区、宮崎親男社長)らは22日、JR浜松町駅前で進めている同ビルの建て替えプロジェクトの概要を公表した。新たな施設は3棟総延べ30万平方メートルの規模となり、交通結節機能を特に強化。「ステーションコア」と呼ばれる空間を設け、モノレールや地下鉄、バスなどに最短距離で乗り換えられるようにする。基本設計を日建設計と鹿島、実施設計と施工は鹿島が担当。2029年度の全体供用を目指す。
 同日現地で記者発表会を開いた。同駅はモノレールで羽田空港とのアクセスが良く、JRや地下鉄などで首都圏各地ともつながる。同社の大志万延也取締役開発企画部長は「浜松町が日本と世界をつなぐ一歩目の場所になる」と強調。「これまで以上に多様な人々が交流し、刺激的でにぎわいのある空間に生まれ変わろうとしている」と将来を展望した。
 敷地内には本館(地下3階地上46階建て)と南館(地下3階地上38階建て)の2棟の超高層ビルを建設する。間に「ターミナル」(地下3階地上8階建て)を整備。3階で同駅改札口に直結させ、同じレベルで本館・南館のほか、西側にある日本生命浜松町クレアタワーやみなと芸術センター、ワールドトレードセンターレジデンスにもアクセスできる環境を整える。
 改札を出た正面に3層吹き抜けの中央広場を設け、商業施設で囲んでにぎわいを生み出す。ステーションコアはエスカレーターを使い、3階レベルから地下階までを連続的に結ぶ空間。JRや地下鉄、バスやタクシーなど複数の交通機関を乗り継ぐハブとして機能する。1階には高速バスのターミナルやタクシー乗り場を整備する。
 高層ビル2棟の大半はオフィスとなり、本館の37階以上にはホテルが入る。2棟に挟まれたターミナルの屋上は芝生広場として供用する。事業は同社と鹿島、東京モノレール、JR東日本が共同で推進している。