新日本建工/高松市に就労継続支援A型事業所が開所、ボルト製作などに従事

2024年7月23日 行事 [11面]

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 新日本建工(高松市、岡村真史社長)は22日、100%出資子会社の就労継続支援A型事業所「株式会社オリビオ」の開所式を高松市内で開いた。建設業と連携した新たな生産活動「建福連携」を通じ、障害を抱える人の就労を支援すると同時に、現場の生産性を向上させる取り組みを一段と加速させていく。=1面参照
 開所式では岡村社長と福原孝悟オリビオ社長、来賓の平井卓也衆院議員、池田豊人香川県知事、中林大典高松市副市長がテープカットし、門出を祝った。
 ボルト製作は職人が建設現場で天井からの高さを計測し、それを基に長さを採寸し製作する現場作業。職人本来の作業の合間や若手が主に作業を担い、以前から生産性を妨げる作業だったが、現場での採寸を伴うため現地で作業するしか方法がなかった。
 新日本建工のDXやBIMを活用することにより、3Dの設計図面上で採寸が可能となり、ボルトをカットし、ナットとハンガーをセットしていく反復作業を福祉の現場にアウトソーシングできるようになった。
 オリビオの福原社長は「建設業界では現場での効率化、福祉業界では新しい仕事の創造といったそれぞれの課題解決の一つの手法となる。地方発のモデルとして成功させたい」と決意を語った。池田知事は「人手不足の中で仕事をオフサイトでやるのは大きな効果がある。全国に広がっていく大きな一歩になるのではないか」と期待を込めた。
 4月1日に高松市から就労継続支援A型事業の許認可を得た。5月16日に1人目の社員が入社した。同29日にハローワーク高松でミニ面接会を実施した。22日時点で5人を採用している。さらに5人の採用を予定しており、今後も求人募集を継続する。定員は20人。
 身体障害のある社員1人が5月16日から12日間作業を実施。老人ホームの現場向けボルト1800本、大学の現場向けボルト2571本を製作した。オフサイト化により、8・75人工(49・2%)の削減効果が見込まれたという。さらに採寸作業にBIMを活用すると、最大で12・75人工(71・8%)の削減効果があるとみている。
 「建福連携」を商標登録した。新日本建工の岡村社長は業界の担い手不足が深刻化する中、「現場で10人かかっていた仕事を6人でできるようにしないといけない」と強調。他の専門工事業者とも連携を深め、オフサイト作業の対象を広げていく考えだ。
 事業所の所在地は高松市田村町322の1。事務所と倉庫兼作業所を併設している。問い合わせはオリビオ(電話087・864・3011)へ。