アーバンエナジーら/全国初、岩手県八幡平市に地熱発電の地域新電力会社を設立

2024年7月24日 企業・経営 [3面]

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 JFEエンジニアリングの全額出資子会社で電力関連事業を手掛けるアーバンエナジー(横浜市鶴見区、小林厚社長)ら5者は23日、岩手県八幡平市に電力小売り会社「はちまんたいジオパワー」(川原太郎社長)を設立した。市内2カ所の地熱発電所から再生可能エネルギー由来の電力を調達し、地元施設に供給することで地域の脱炭素化を促す。地熱発電所を核とした地域新電力会社は全国初という。2025年2月の事業開始を予定する。
 新会社にはアーバンエナジーと八幡平市、地元金融機関3者が共同出資する。資本金は5000万円。出資比率は▽アーバンエナジー85%▽八幡平市10%▽岩手銀行2%▽北日本銀行1・5%▽盛岡信用金庫1・5%。
 はちまんたいジオパワーは市内の松尾八幡平地熱発電所と安比地熱発電所でつくられた電力を民間事業所や公共施設に送り、再エネの地産地消を推進する。八幡平市は地域外に流出する電気代を抑えられるメリットがある。地熱エネルギーが利用可能な点を地域の強みとして企業を誘致し、岩手県北地域の活性化につなげたい考えだ。
 市内に支店を置く岩手銀と北日本銀、盛岡信金は市内の電力需要家に対し、それぞれの脱炭素化支援を織り込んだ商品を紹介することで地元企業の脱炭素化や地域の持続可能性の向上に役立てる。