東京都/石神井川上流の地下調節池整備、事業費膨らみ1300億円に

2024年7月24日 工事・計画 [4面]

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 東京都が準備工事を進めている石神井川上流地下調節池の事業費が膨らんでいる。2023年1月時点で約600億円だったが物価上昇などが続き、同11月の試算では989億円に増加。今月再び試算した結果、1310億円となり約1年半で倍増した。増加要因としてはシールドマシンやセグメント、土木資材の価格高騰のほか労務単価の上昇などがある。
 23日に東京都新宿区の新宿NSビルで開いた「河川整備計画策定専門家委員会」で都が明らかにした。今後も鋼材価格の上昇などが続き、事業費のさらなる拡大が想定される。
 調節池の整備対象となる1級河川・石神井川は、東京都中北部にある小平市内のゴルフ場付近から始まり、都北部を東に流れ、JR王子駅の東側で隅田川に合流している。
 石神井川上流地下調節池は22年3月に都市計画決定し、同10月に都市計画事業の認可を取得している。都立武蔵野中央公園(武蔵野市)から南町調節池(西東京市)までの地下約30メートルにトンネルを構築する。
 内径は14・3メートルで、延長は1・9キロ。石神井川が増水した時に約30万立方メートルの水をためる。トンネルは青梅街道と伏見通りの下を通る計画だ。年超過確率20分の1規模の降雨(時間最大75ミリ降雨)に対応する。
 事業期間は33年3月末まで。24年度内に準備工事を完了し、25年度に発進立坑の建設に着手する。27年度にシールドマシンを使って掘削を始める。