国交省/27年度までに自動物流道路の社会実験、新東名の新秦野~新御殿場など対象

2024年7月26日 行政・団体 [2面]

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 国土交通省は、高速道路に自動運転カートの専用走行レーンを設けて荷物を運ぶ「自動物流道路」について、2027年度までに社会実験を実施する方針を明らかにした。区間は新東名高速道路で建設中の新秦野IC(神奈川県)~新御殿場IC(静岡県)間などを想定。実際にカートを走らせ、走行の安全性や速度、採算性などを検証する。将来的な東京~大阪間での実用化を見据え、10年後をめどに一部区間の運用開始を目指す。=1面参照
 有識者による検討会議の中間取りまとめを策定し、25日の政府の物流の革新に関する関係閣僚会議に報告した。
 自動物流道路は高速道路などの中央分離帯や路肩、地下空間に専用の走行レーンを設け、小口の荷物を搭載した自動運転カートを走らせる。無人で荷物を運べるため、トラック運転手が不足する物流の2024年問題の有効策として期待される。国交省は2月に有識者らによる検討会議を立ち上げ、検討を加速している。
 10年後をめどに渋滞が頻発する大都市近郊に先行ルートの実現を目指す。小規模な改良で実装可能な区間から導入していき、将来的に東京~大阪間の開通を目指す。ルートは貨物鉄道駅や港湾、空港、物流倉庫などの物流拠点とも接続し、効率的に荷物を運べるようにする。物流網の充実を都市競争力の強化につなげるため、民間事業者の再開発事業と連携したルート選定も視野に入れる。
 24時間稼働で荷物を移送する。レーンには一時的に荷物を保管できる滞留スペースを設け、予定していた時間に配送できるようにする。多くの事業者が活用できる社会インフラとしての役割を担うため、民間資金を活用して整備・維持管理できる事業スキームを検討していく。