大阪・関西万博/フィリピンパビリオン、伝統工芸の織物イメージ

2024年7月26日 工事・計画 [8面]

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 フィリピン政府は24日、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)に出展するパビリオンの概要を大阪市内で発表した。コンセプトは「自然、文化、共同体・よりよい未来をともに織りなす」。フィリピンの伝統工芸品の織物を通して多様性や人とのつながりの精神を表現し、外装は手作りの籠細工を飾る。建物のデザインはフィリピンの建築家カルロ・カルマ氏が担当。建築工事の施工は淺川組・西尾レントオールJVが手掛ける。
 パビリオンのテーマは「Woven」。建物の主要構造はS造。規模は平屋約600平方メートル。フィリピン全国から選ばれた織物職人が212点の籠細工を制作する。内部には全国18地域で作られたユニークな織物を展示し、AIを駆使した体験スペースを設ける。伝統舞踊など演じる舞台も設置する予定。
 フィリピン政府代表で観光省大臣のクリスティーナ・ガルシア・フラスコ氏は「万博に参加することで愛と団結、持続可能性、イノベーションなどを伝えていく。フィリピンの自然の美しさや歴史、遺産、文化などを示し、観光や投資などにつなげたい。フィリピンを好きになるきっかけをたくさん見つけられる」と話した。
 大阪市の横山英幸市長はパビリオンの出展について「日本とフィリピン、大阪とフィリピンの絆が強くなる」と話し、25年日本国際博覧会協会の石毛博行事務総長も「フィリピンと日本、世界をつなぐかけがえのない場所になる」と期待した。
 パビリオンの建設は今春に始まり、25日に大阪市此花区の万博会場で上棟式が行われた。25年3月の完成を予定。万博閉幕後は自国でリサイクルする予定だという。