長崎大学/キャンパス再編構想試案、文教キャンパスに経済学部移転や新校舎など検討

2024年7月29日 工事・計画 [11面]

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 長崎大学の永安武学長はキャンパス再編構想の学長試案を発表した。2030年度をめどに文教キャンパス(長崎市文教町)にある薬学部を坂本キャンパス(同市坂本)に移転。併せて文教キャンパスには片淵キャンパス(同市片淵)にある経済学部を移転し、新校舎の整備や老朽化した施設の建て替えを行う。今後学内外の意見を聞き、24年度中に可否を決定する。
 試案によると文教キャンパスは総合生産科学域と人文社会科学域の拠点とする。南側の駐車場がある敷地(約6000平方メートル)に講義室や演習室、自由に使える交流空間、図書館などで構成する新校舎を整備。経済学部や情報データ科学部、多文化社会学部の研究室も設ける。
 新校舎の整備では民間活力の導入を視野にサウンディング(対話)型市場調査を8月にも実施し、その結果を踏まえ、経済学部の移転の可否を判断する。屋外環境整備や動線の見直し、薬学部が移転した後の跡地活用や老朽化施設の建て替えなども計画する。
 坂本キャンパスは生命医科学域の拠点とする。新たな教育研究棟を整備する予定で、26年度ごろの着工を目指す。
 経済学部移転後の片淵キャンパスについては、23年度に跡地活用の提案を行う対話事業者の公募を行い、対話事業者に選ばれた5者が質の高い住環境を提供する住宅や、生活利便性を支える商業施設などを整備する案を示した。健康施設や緑を生かす遊歩道、同キャンパスの記憶継承をテーマに一部施設をカフェなどとして有効活用する提案もあった。
 経済学部の移転が正式決定すれば、対話結果を踏まえた土地利用計画を策定する。