秋田・山形豪雨/子吉川と最上川の堤防応急復旧急ぐ、地域の守り手・地元建設業が奮闘

2024年7月30日 行政・団体 [6面]

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 梅雨前線の影響で24日から26日にかけ、観測史上最大の記録的な大雨に見舞われた秋田県南部と山形県北部では、厳重警戒体制の中、地域の守り手として地元建設業が24時間体制で奮闘している。東北地方整備局が管理する1級河川の子吉川(秋田県由利本荘市)では堤防決壊が発生し、最上川(山形県戸沢村)でも堤防欠損などの被害がでた。甚大な被害があった由利本荘市、山形県新庄市では、地元建設業が総力を挙げて応急復旧作業に当たっている。
 子吉川を管理する東北整備局秋田河川国道事務所では、26日午前から決壊箇所を応急復旧する2カ所の工事に着手。決壊したのは石沢川左岸1・0キロ付近(由利本荘市鮎瀬)で大雨による増水で堤防が約60メートル、子吉川左岸10・4キロ付近(同荒町)で約70メートルにわたって崩れた。根固めブロックや盛り土、大型連節ブロックによる表面被覆で堤防を仮復旧。石沢川は山勇建設工業(猪股勇樹代表取締役)の施工で28日までに粗締め切り盛り土工事を終え、29日からのり面整形に入った。子吉川は仮設道路を進め、粗締め切り盛り土に着手した。24時間体制で作業を実施し、昼は三浦組(佐藤強代表取締役)、夜は村岡建設工業(村岡兼幸代表取締役)が工事を担当。
 戸沢村では26日早朝に最上川中流が氾濫した。鮭川右岸6・3キロ付近では堤防の裏のりが約70メートルにわたって崩壊。東北整備局新庄河川事務所は26日午後、川の水位が下がり安全確認後、土砂による盛り土工事に着手した。新庄・鈴木・柴田組(吉田秀夫社長)の施工で大型連節ブロックを設置し、応急復旧を進めている。最上川左岸45・3キロ付近(戸沢村大蔵)では堤防が100メートルにわたり欠損した。柿崎工務所(柿崎和朗社長)が資機材準備を行い、復旧箇所の支障物やがれきを撤去した後、盛り土工を実施する。
 いずれも作業開始から1週間程度で完了する見込みだ。