岩国駅前南再開発(山口県岩国市)/山口県が事業認可、20階延べ3・2万平米ビルに

2024年8月1日 工事・計画 [9面]

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 岩国駅前南地区市街地再開発組合が計画する「岩国駅前南地区第一種市街地再開発事業」が、7月30日付で山口県知事の事業認可を受けた。岩国駅西口駅前広場に隣接し、20階建て延べ3万2190平方メートルの再開発ビルを建設する。再開発組合では、2025年4月に既存施設の解体工事に入り、同10月着工、28年9月の竣工を目指す。
 再開発事業には、総合アドバイザーに光井純氏(光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所代表取締役)、事業協力者に五洋建設、大和ハウス工業、事業コンサルタントに都市設計連合が参画している。
 再開発事業は、都市機能の再構築、新たな拠点整備、街なか居住の推進などを図り、中心市街地のにぎわいと活気を創出する環境づくりをけん引する事業として、中心市街地に必要な都市機能である商業・業務施設、公益施設、共同住宅、駐車場を整備する。計画地は山口県岩国市麻里布町1、2の約0・9ヘクタール。建築面積約5830平方メートル。施設規模は20階建て延べ3万2190平方メートル。
 低層部の1・2階と3階の一部に商業・業務施設、3階と4階に公益施設を配置。商業施設の集客と新たな拠点施設となる公益施設の利用者からなるにぎわいの創出や都市機能の利便性を考慮し、4~20階に多世代の都心居住を目的とするユニバーサルデザインに配慮した共同住宅(約130戸)を整備することで、来街者や定住人口の増加による中心市街地の活性化を促す。
 商業施設やコミュニティースペースは、西口駅前広場や本通商店街につながる国道188号に面して設け、施設内を往来する人の動きが外部から視認できるデザインを施し、視覚的なにぎわい効果を生み出すことで、駅前や商店街のにぎわい、活力を演出する。住宅のある高層部はシンボリックな意匠とするなど駅前の顔となる都市計画形成づくりに配慮した施設計画とする。
 駐車施設は、駐車場棟として棟を分け、施設3階で渡り廊下とつなぎ各階からアクセスが可能になるよう計画し、来街者用、居住者用の駐車場として駐車需要の増加に見合った整備を行う。
 施設の1階中央には、廃道にする市道麻里布町の27号線の現況と同位置に地区施設として貫通通路を整備。軌道敷き側の市営駐輪場に至る歩行者経路の確保など、既存動線機能の一部を残すとともに、道路、駅前広場に面して1階のみ壁面後退を行い、ゆとりある歩行者空間を整備する。