東京・品川区/新庁舎整備25年春ごろ工事公告、脱炭素型庁舎を実現

2024年8月2日 工事・計画 [4面]

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 東京・品川区は新庁舎整備で今後のスケジュールを明らかにした。2024年冬の都市計画手続き、25年春ごろに建築を含む3工事の入札手続きに入る。同年夏をめどに入開札し、秋の工事着手を予定する。29年1月上旬の移転を目指す。脱炭素型の庁舎を実現するため、ZEB Readyの取得も狙う。
 新庁舎の建設地は広町2の2の5(敷地面積8341平方メートル)。JR東日本が計画する「広町地区開発」の事業地内に位置し、第1種住居地域、基準容積率は600%。施設はS一部SRC造(免震構造)地下2階地上14階建て延べ6万1000平方メートルの規模。建物高さは約61・7メートルを想定する。総事業費は概算で約560億円を見込む。
 基本設計などの関連業務は日建設計、設計段階で建物機能や諸条件を検討する管理支援業務は三菱地所設計が担っている。基本設計が完了し、今後は実施設計に入る。区は現段階で建築と電気設備、機械設備の3工事を分離発注する方針。制限付き一般競争入札を想定し、JVでの参加を条件にする考え。
 新庁舎のコンセプトは、幸福を指す「ウェルビーイング」(Well-being)と包摂を意味する「インクルージョン」(Inclusion)、品川(Shinagawa)の3語を英語表記した頭文字「WISH」に設定。未来に希望の持てる区政と新庁舎をつくるというメッセージを込めた。
 脱炭素への貢献に向け、ZEB Ready水準を満たす建物を整備。建築環境総合性能評価システム(CASBEE)のSランクも取得し、施設を快適に利用できるようにする。1階に新しい保健センターの一部の機能を集約し健康危機管理体制の強化を図る。