東京都/重点政策方針2024を発表、強靱化プロジェクトをレベルアップ

2024年8月5日 行政・団体 [4面]

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 東京都は2日、都の総合計画「未来の東京」を実現するための方針「重点政策方針2024」と、2025年度予算の見積もり方針を発表した。激甚化する風水害のほか首都直下地震などから都民の命と暮らしを守るため、「TOKYO強靱化プロジェクト」などをレベルアップする。25年度予算は原則としてゼロシーリングを継続する一方、物価上昇による所要額などはシーリングの枠外にする考え。25年1月下旬に予算案を発表する。
 2日の定例会見で小池百合子知事は重点政策方針について「時代の潮流を見極め、今回新たな戦略として50年代の東京の姿を描いた。(まずは10年後の)35年に向けた具体的な政策を練り上げる」と説明した。
 重点政策方針では、線状降水帯の発生回数が22年の11回から23年は23回と倍増していることなどを背景に、風水害対策に注力する考えを示した。TOKYO強靱化プロジェクトでは被害防止に向け、地下調節池を東京湾までつなげる地下河川化に取り組む方針を掲げている。
 1月に発生した能登半島地震の教訓を生かし建物の耐震化のほか、道路などのインフラ整備なども急ぐ。
 都市基盤の強化に向けては、道路や鉄道ネットワークを一層整備する。東京の玄関口となる空港や、物流の根幹を担う港湾の機能も高める。ホームドアの設置などバリアフリー化を促進し、誰もが安心して暮らせる都市へと成長する。
 25年度予算では、都市の強靱化などに向け大胆で着実な施策を積極的に展開する。先端技術の活用などによる業務の見直しを進め、無駄をなくし、強靱で持続可能な財政基盤を堅持する方針だ。