阪神電鉄/阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)銀傘拡張工事、大林組で11月着工

2024年8月5日 行政・団体 [1面]

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 阪神電気鉄道は2日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)の内野スタンド大屋根「銀傘」の拡張工事に11月に着手すると発表した。拡張面積は3328平方メートルで、両翼のアルプススタンドまで屋根で覆う。スタンド背後にS造6階建ての建屋をそれぞれ増床する。施工を大林組が担当し、2028年3月の完成を目指す。工事費は約150億円。
 23年7月に発表した「銀傘拡張構想」を具体化した。グラウンドの高校球児にアルプススタンドから熱いエールを送る学校応援団の観戦環境を改善し、高校野球の聖地として野球文化を次世代に継承していく。
 銀傘はガルバリウム鋼板製で、既存の内野部分と拡張する両翼部分を合わせて総面積は1万1512平方メートルとなる。付属棟の建屋は1階にピロティと通路、2階に配管設備などを配置。3階に飲食売店やグッズショップ、4階に厨房(ちゅうぼう)とバックオフィスが入り、5階を観覧エリア、6階を個室観覧エリアとする予定。高さは銀傘を含めて30・6メートルに及ぶ。
 阪神甲子園球場は1日に開場100周年を迎えた。戦前にアルプススタンドまで覆っていた「大鉄傘」は戦時中の金属供出で消滅。戦後に銀傘として復活、今回の拡張で「平和の象徴」として完全復活する。