大阪府/都計審が森之宮新駅設置承認、大阪城東部の活性化に期待

2024年8月5日 工事・計画 [10面]

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 大阪府は2日、2024年度第1回都市計画審議会を大阪市内で開き、大阪メトロが大阪城東部地区(大阪市城東区1)で計画している中央線の支線整備と仮称・森之宮新駅の設置に伴う都市計画案を原案通り承認した。府・市が中心となってまちづくりを進めている大阪城東部エリアに地下鉄を通すことでアクセス性を向上し、周辺地域を含めた開発促進やにぎわい創出につなげる。支線と新駅は25年度に設計を開始し、27年度の完成、28年春の開業を目指す。
 支線は単線で新駅と大阪メトロ中央線の森ノ宮駅を結ぶ。延長は1120メートル。森ノ宮駅から車庫に至る地下式と地上式の線路を改良し、営業線として利用する。開業時には中央線の6両編成の電車が両駅間を15分ごとに行き来する予定。
 新駅は森之宮車庫・工場の北端の地上に設ける。駅の面積は3500平方メートル。駅構造は1面1線とし都市計画に追加する。新駅の上部空間には駅ビルの建設も計画されている。
 新駅と支線は28年春までを計画期間とする大阪城東部地区の「1・5期」開発事業の一環となる。
 審議会では、旧大阪マルビルの建て替えに伴う跡地開発が核となる梅田1丁目中央地区(約0・5ヘクタール)を都市再生特別地区に追加するとともに、地区の容積率を2000%(現在は1000%)に緩和する都市計画案も承認。マルビルの建て替えに併せて、多目的広場(700平方メートル)や地下と地上を結ぶ立体的な歩行者空間、地下連絡通路の整備、歩道の拡幅・美装化などを進め、周辺エリア全体の活性化につなげる。
 新たなマルビルは旧ビルの丸い外観を受け継ぐとともに、高さが従前より70メートルほど高層化し192メートルになる見込み。国際的な高級ホテルが入るほか、円形のコンサートホール、先端技術を取り入れた博物館の設置が検討されている。完成予定は30年春。
 このほか枚方市の京阪交野線村野駅前で地元地権者が計画している土地区画整理事業や、岸和田市の山直東地区のまちづくりの実現へ必要となる市街化区域編入のための都市計画案を審議し、すべて承認した。