愛知県/矢作川流域上下水道広域連携協議会準備会を設置、市町と事業一本化目指す

2024年8月8日 行政・団体 [8面]

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 愛知県は「矢作川流域上下水道広域連携協議会(仮称)」を設立するための準備会を立ち上げ、7日に名古屋市中区の県本庁舎で初会合を開いた=写真。県と市町が連携し上下水道の一本化を目指す全国初の取り組み。今後、広域連携の組織の在り方や事業効果などの検討を進め、基本方針案をまとめる。
 準備会の構成員は県、碧南市、刈谷市、豊田市、安城市、西尾市、知立市、高浜市、みよし市、幸田町。
 冒頭のあいさつで大村秀章知事は「能登半島地震は広範囲での断水や下水道が使用できない状態の長期化など甚大な被害が発生し、水が使えることの重要性を再認識する機会となった。本県でも南海トラフ巨大地震を想定し、上下水道一体となった地震対策を進める必要がある」と強調。「効率的で持続可能な上下水道事業のため、県と市町等が連携した上下水道の一本化を目指し、準備会ではカーボンニュートラル(CN)の実現、DXの推進などを踏まえながら検討を進め、基本方針案をまとめたい」と準備会設立の経緯を説明した。
 岸田文雄首相が7月に矢作ダム(豊田市)を視察したことにも触れ「上下水道施設の再編による省エネルギー化など、流域総合水管理の推進について賛同をいただいた」と紹介し、「ものづくり愛知をけん引する西三河をモデルとし、成果を全国に発信したい」と力を込めた。
 初会合では準備会の目的や基本方針案策定に向けた検討の進め方、西三河地域の上下水道事業の現状を確認し、技術職員の不足など課題を共有した。他県の事例紹介も行われた。