堺市/居住・都市機能誘導区域外の開発・建築、11月から事前届け出義務化

2024年8月8日 行政・団体 [10面]

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 堺市は立地適正化計画として新たに設ける居住・都市機能の「誘導区域」の区域外で、一定規模以上の誘導施設を開発・建築する場合に着工日の30日前までに届け出するよう義務付ける。11月1日に運用を始める。人口が減少し続ける中、一定のエリア内に居住・都市機能を誘導することで、コンパクトで持続可能な都市構造の実現を目指すこととし、事前の届け出制度で実効性を担保する。
 誘導区域は、居住を誘導して人口密度を維持することで、生活サービスや地域コミュニティーの維持・確保につなげる「居住誘導区域」と、医療・福祉・子育て支援や商業などの都市機能を適切に誘導し、集約化することで都市サービスの提供を図る「都市機能誘導区域」の二つを設ける。
 事前届け出の対象となる開発・建築行為は、居住誘導区域外では▽3戸以上の住宅建築が目的の開発▽1戸または2戸の住宅建築が目的の1000平方メートル以上の開発▽3戸以上の住宅新築▽改築や用途変更の3戸以上の住宅-とする。都市機能誘導区域外では立地適正化計画に基づく誘導施設の建築が目的の開発や、誘導施設を有する改築を含む建築行為などが対象となる。
 立地適正化計画は市全域をカバーするマスタープランで、おおむね20年後の市の姿を展望する。市の総人口は2040年度時点で73万4000人程度(20年度時点、82万6000人)まで減少する見込み。そこで都市計画法を中心とした土地利用計画に加えて、都市再生特別措置法に基づく立地適正化計画制度で誘導区域を設定し都市機能を維持することとした。
 堺市は全域(1万4982ヘクタール)が立地適正化計画の対象区域(都市計画区域)となる。このうち居住誘導区域は市街化調整区域や工業地域などを除く8538ヘクタールを設定。都市機能誘導区域は鉄道駅や拠点施設からの半径がおおむね800メートル圏内となる12区域を設けた。12区域ではそれぞれ法律に基づく誘導すべき施設と市独自の立地が望ましい施設を明示した。
 立地適正化計画案は7月31日に開いた都市計画審議会に諮り了承済み。11月1日に策定・公表するまでの3カ月間を事前届け出制度の周知期間としている。