回転窓/本当の声はどれ?

2024年8月9日 論説・コラム [1面]

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 国土交通省が民間工事に焦点を当てて行った2023年度の「適正な工期設定等による働き方改革の推進に関する調査結果」(1月1日時点)が興味深い。規制強化前だが、時間外労働の上限規制で原則とされる月45時間・年360時間を超過する技術者がいる企業が36%を占めた▼長時間労働が当たり前だった時代に比べると、3分の2が規定内であることに隔世の感がある。だが若者からすればとんでもないことかも。どちらに合わせるべきかは言うまでもない▼自由回答は働き方改革を好意的に受け止める意見が目立つ。一方で「土日は休め、賃金アップしなさいと国から言われても、休みを増やしたらできる仕事も減り賃金アップしたくてもできない」と悲痛な声も▼働き方改革が進展していくにつれ、苦しい人が声を出しづらい雰囲気になる懸念がある。サイレントマジョリティーの本音はどこにあるのだろうか▼明日からお盆休みの人が多かろう。だが、この時期にしかできない建設工事もある。目立たない所で働く方の努力もあってこそ、経済は動く。すべての人が働きがいを持てる社会への変革を願ってやまない。

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