東京都/妙正寺川上流に新たな調節池、貯留量6・8万立米で分割整備も検討

2024年8月21日 工事・計画 [4面]

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 東京都は杉並区や中野区などを流れる1級河川・妙正寺川の上流で、新たな調節池建設に向けた検討に入る。容量は約6万8000立方メートル。今後の降雨量の増加を見据え、施設規模の増強も計画している。設置場所は中野区にある鷺宮運動広場周辺をベースに考える。別の場所にも分割して整備するケースも想定する。構造は地下箱式で検討する。
 妙正寺川は杉並区にある妙正寺池を水源に中野区の北部を東に流れ、最終的には新宿区で神田川に合流する。河川延長は9・7キロ。
 妙正寺川では今回検討する調節池のほか、「環状七号線地下広域調節池」(中野区野方5~練馬区高松3)の工事を進めている。工期は2025年12月まで。北側で白子川地下調節池(練馬区大泉町2~高松3)、南側で神田川・環状七号線地下調節池(杉並区和泉1~中野区野方5)とつながる計画だ。取水対象は妙正寺川を含めた五つの河川で、総貯留量は約143万立方メートルとなる。
 都財務局は20日、「妙正寺川上流部における調節池基本検討」業務の委託先を決める希望制指名競争入札を公告した。参加申請を23日まで電子調達システムで受け付ける。9月11日に開札する。
 「土木・水系関係調査業務」のAかB等級に格付けされ、「河川・水理調査」に登録がある者が入札に参加できる。調節池の河川洪水調整に関する治水検討業務を国か都道府県から受注し、完了した実績も求める。
 業務では、妙正寺川が流れる杉並区清水3~中野区白鷺3の区間で、新たな調節池を設置するのに最適な場所を調べる。基本候補地である鷺宮運動広場周辺(中野区白鷺3)に全容量をまとめて整備する場合と、別の候補地に容量を分割するケースの2パターンを考える。
 本体構造や取水堰、仮設構造のほか、施工計画も検討する。加えて、概算工事費と維持管理費などを含めた事業費も算出する。
 履行期間は2025年2月28日まで。