大阪府/淀川左右岸改修で方針案、3河川継続・檜尾は休止

2024年8月28日 行政・団体 [8面]

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 大阪府都市整備部は淀川水系淀川左岸ブロックの穂谷川と右岸ブロックの芥川・檜尾川・東檜尾川の4河川の改修事業について、今後の対応方針案をまとめた。檜尾川を除く3河川はいずれも事業継続が必要不可欠とした。今後、府民から意見を募り、9月以降に開く次回会合で事業継続の妥当性の判断を仰ぐ。檜尾川は当面の間、事業を休止する方針。
 26日に開いた2024年度大阪府河川整備審議会の第2回会合で4河川の対応方針案を提示した。継続が不可欠とした3河川は穂谷川、芥川、東檜尾川。いずれも事業費を増額する。穂谷川と東檜尾川は完成予定年度も変更し、穂谷川は6年先、東檜尾川は7年先に延ばす。
 穂谷川は枚方市域を流れる1級河川。100年に一度程度発生する恐れのある時間雨量80ミリ程度の降雨による洪水での床上浸水を防ぐため、河道拡幅や河床掘削を進めている。進捗率は事業費ベースで48%。残業費は約21億円。今回の再々評価では建設資材や人件費の上昇、仮設工法の変更で約10億円の事業費の増加を見込む。完了予定年度は38年度。
 芥川や東檜尾川は高槻市域を流れる1級河川。芥川は穂谷川と同じ80ミリ程度の降雨確率を対策目標とする。進捗率は事業費ベースで4%。残業費は約120億円。JR京都線の鉄道高架化(芥川橋梁の架け替え)に併せて堤防を補強する。完了予定年度は48年度。高架化へは府・高槻市・JR西日本が協議調整中。
 一方、東檜尾川は30年に一回程度の確率となる65ミリ程度の降雨への対策を想定している。進捗率は63%。残事業費は約6億円。23年度に用地取得が完了し、24年度中の着工を目指す。完了予定年度は30年度。
 檜尾川は前回評価時(19年度)以降に浸水リスクを見直した結果、80ミリ程度の降雨でも氾濫が発生しないことを確認。「当面は事業を休止する」とした。
 会合では三大水門の更新事業を含む西大阪ブロックの高潮・地震・津波対策事業の事業評価も実施。審議会として府の対応方針案を適切と判断し「事業継続は妥当」と答申した。