大阪府、市/新大阪駅周辺まちづくり、十三駅は直上含む一体開発

2024年8月29日 行政・団体 [14面]

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 大阪府と大阪市は世界有数の広域交通ターミナルを目指す新大阪駅周辺地域のまちづくりで、十三駅と淡路駅周辺地区をサブ拠点と位置付け、それぞれ「エリア計画」の骨格をまとめた。十三駅エリアでは新線整備に伴う駅直上を含めた周辺一体開発、淡路駅エリアでは柴島浄水場用地を活用した良好な都市開発プロジェクトの誘発に取り組む方針。2040年までの具体化を目指す。
 両エリアの骨格は28日に大阪市役所で開いた新大阪駅周辺地域まちづくり検討部会の第5回会合で提示した。出席した大阪府の森岡武一副知事は「インバウンドがコロナ下前に戻ってきた。大阪・関西万博に向けてさらに増えるだろう。ターミナル機能の向上とともに、大阪のまちの魅力をさらに高める必要がある」と話した。
 十三駅エリアでは新大阪駅と大阪駅を結ぶ新大阪連絡線・なにわ筋連絡線が計画中で、十三駅の地下に新駅のホームの設置が予定されている。これに合わせて駅上部・地下空間、駅周辺を一体的に整備し駅周辺の回遊性を高める。駅から約500メートルの徒歩圏を都市機能の向上を図るゾーンと位置付け、エリアの魅力向上を実現する。
 淡路駅エリアでは阪急京都線などの連続立体交差事業が進むとともに、近傍の柴島浄水場の機能集約が計画されており、新たに生み出される余剰地約12ヘクタールを開発用地として活用する。大規模集客施設や業務・商業、住宅、防災につながる広場・滞留空間、オープンスペースなどの機能導入を想定し、来訪者や地域住民にとって居心地の良い空間づくりを目指す。
 今後、地域の意見を踏まえたブラッシュアップと関係者間での協議・調整を経て、本年度内にエリア計画案を作成する。新線整備や開発用地の活用時期を見据えて検討をさらに深めながら計画を更新し、具体的な都市開発につなげる。