竹中工務店、鹿島ら/持続可能な再生コンクリ開発へ、5年以内に首都圏で実装目指す

2024年8月29日 技術・商品 [3面]

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 竹中工務店や鹿島、栗本鐵工所らは共同で「サーキュラーコンクリート」の開発に着手した。従来に比べ製造時の二酸化炭素(CO2)排出量が少ない環境配慮型セメントと、コンクリ廃材や余剰分の戻りコンクリから回収・製造するリサイクル骨材を使う。建物の解体などによって多量な解体コンクリが発生する一方、道路用路盤材としてのリサイクル需要が激減している首都圏で今後5年以内に社会実装を目指す。将来的にはエリアを段階的に拡大していく。
 竹中工務店は幹事社として開発を先導する。鹿島や栗本鐵工所、コトブキ技研工業(東京都新宿区、奥原祥司社長)、三和石産(神奈川県藤沢市、中田泰司社長)、成友興業(東京都あきる野市、細沼順人社長)、八洲コンクリート(埼玉県八潮市、桐生了英社長)、吉田建材(東京都江東区、吉田博社長)の各社と共同で開発。共同研究者として明治大学も名を連ねる。開発や実証の過程で一部業務を竹中土木に委託する。
 開発では▽低コストで省エネルギー性能や高処理能力などを兼ね備えた再生骨材製造装置の開発▽再生骨材の効率的な製造・品質管理手法の開発▽戻りコンを再資源化工場に集積し、回収骨材として利用する仕組みの構築▽サーキュラーコンクリの開発▽再生骨材製造時に発生する副産物(微粉)の用途開発-の各取り組みを展開する。
 竹中工務店によると、近年は都市部で発生した解体コンクリを道路用路盤材として再利用するため、全体的に道路需要の残る地方部に運搬せざるを得ない状況になっている。余剰傾向にある戻りコンから一つの生コン工場で回収できる骨材の量も限られる。再資源化工場に集積して回収することもできるが、そのための技術基準が整備されていないなどの課題がある。