函館駅前東地区再開発準備組合/9月末に組合設立認可申請、29年5月完成めざす

2024年8月29日 工事・計画 [6面]

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 JR函館駅前でホテルや商業、住宅などの複合施設建設を計画する函館駅前東地区再開発準備組合(北海道函館市、渡辺良三理事長)は、9月末にも組合設立認可を申請する予定だ。11階建てのホテル棟や25階建ての共同住宅棟など4棟、総延べ床面積約3万8240平方メートルの施設を新築する。総事業費は176億7000万円を見込み、2029年5月の完成を目指す。
 事業概要を見ると、建設場所は函館市若松町16および17で、19年1月末に閉店した百貨店・棒二森屋の跡地(地区面積約1ヘクタール)。新築する施設はホテル棟がS造地下1階地上11階建て延べ約1万2000平方メートル(約240室)、住宅棟がRC造25階建て延べ約2万1200平方メートル、S造4階建ての商業・公共公益棟とS造平屋の商業棟の合わせて延べ約4110平方メートル。このほか各施設をつなぐ自由通路やエントランスホールなどの全体共用部に延べ約430平方メートルを想定する。
 敷地中央付近に各種イベントの開催を通じて市民と観光客が交流する拠点となる約500平方メートルの市民広場を整備するとともに、飲食店を中心とした専門店や地域住民の文化交流拠点となる公共公益施設を整備し、商業施設の活性化を図る。災害時に活用可能な避難施設や、防災備蓄倉庫、自家発電施設などを設置し、都市災害に強いまちづくりに寄与する。
 ホテル棟の建設には都市再開発法に基づく特定建築者制度を活用し、ホテル事業者が自らホテルを建設する。ホテル事業者は今後、公募により決定するため、ホテルの規模は変更になる可能性がある。
 総事業費は176億7000万円で、内訳は調査設計計画費が6億8000万円、土地整備費が44億6000万円、工事費が120億7000万円、事務費などが4億6000万円を試算。特定建築者制度の活用で当初ホテル棟工事費として見込んでいた55億8000万円が削減されたほか、高騰が続いている建設資材価格や労務費の現状を勘案し、市民広場で100平方メートル、商業施設の共用部分で約430平方メートル縮小して工事費を抑えるなどし全体では23年10月に示した総事業費231億円から54億3000万円を縮減した。
 今後は9月の組合設立認可、25年9月の権利変換計画認可を経て、同11月に既存施設の解体と新施設の建設に着工し、29年5月の竣工・開業を目指す。