大阪府、豊中市/千里中央「東町エリア」再整備、10万平米級の施設導入

2024年8月30日 行政・団体 [11面]

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 大阪府と豊中市は千里中央地区「東町エリア」の再整備に当たり、千里阪急・セルシー敷地「駅東街区」と千里阪急ホテル敷地「公園南街区」を一体開発する計画をまとめた。百貨店やエンターテインメント機能などを有する延べ床面積10万平方メートル級の施設開発を誘導することで、多様な都市機能を集積した拠点形成につなげる。2032年度の実現を目指す。
 23日に地権者も含めた「千里中央地区活性化協議会」で再整備計画の改定案が了承され、29日に公表した。
 今回の改定は社会経済状況の変化に迅速に対応し、現実的で柔軟な都市計画を進めるため、新たに公園南街区を計画に追加。駅東街区と一体的な開発を進め、駅東街区で▽百貨店▽物販▽飲食▽サービス▽エンターテインメント機能-といった用途を導入すべきとした。
 公園南街区は千里東町公園と連携したにぎわい広場・交流機能、都心居住機能の誘導に取り組む。
 全体としては商業施設や公共施設の再配置、広場空間の整備、緑化施設の導入などを通じて、地域全体の魅力向上を図る方針。これまでの計画で不足していたバス乗降場の再配置や、徒歩・自転車での移動を考慮した動線計画も充実。地区内外からのアクセス性を高め、来街者や居住者により利便性の高い空間を提供することを目指す。
 千里中央駅周辺のターミナル機能の強化も重要な柱と位置付ける。千里中央駅について北大阪急行電鉄の延伸により、これまでの終点駅としての役割を終え、新たな交通拠点としての再整備を後押しする。
 このほかエリア全体の緑化の推進や防災設備の強化、エコな交通手段の導入などを通じて、持続可能で安全な都市空間の提供を目指す。市民参加型のエリアマネジメントの強化も重視。協議会は地域住民や事業者との協力を通じて、公共空間の利活用を促進し、地区全体の活性化を図ることを提唱する。