回転窓/強靱化を加速する姿勢で

2024年8月30日 論説・コラム [1面]

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 非常に強い台風10号が日本列島を縦断する懸念が高まっている。気象庁は28日の会見で「比較的最強に近い。めったにないような台風」と危機感を示した▼高潮や洪水の浸水想定区域や土砂災害警戒区域などは特に危険性が高い。暴風が吹き始める前の早めの避難が重要だ。岸田文雄首相は、事前対策に万全を期すことや、被害発生時には政府一体で応急対策に全力で取り組むよう指示した▼九州地方では29日、線状降水帯による大雨が発生。完成したインフラに守られた地域でも予断を許さない状況が続く。施工中の建設現場では、さらに高いレベルで警戒が求められる。工事関係者の無事を願ってやまない▼国土交通省が27日、2025年度予算の概算要求を発表した。能登半島地震の復旧・復興とともに、防災・減災や国土強靱化を着実に推進し、国民の生命・財産・暮らしを守り抜く姿勢を強調。公共事業関係費は前年度比18・9%増の6兆2899億円を要求した▼災害復旧よりも事前対策の方が効率的。何より国民の命を守ることにつながる。被災者を増やさないためにも、防災への備えをさらに加速していきたい。