竹中工務店24年1~6月期決算/連結売上高7719億円、採算重視で利益確保

2024年8月30日 企業・経営 [1面]

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 竹中工務店の2024年1~6月期決算は増収増益となった。連結売上高は前年同期比4・1%増の7719億9百万円と過去20年で最高額を更新。物価高騰や時間外労働上限規制の影響に考慮し、採算や適正工期の確保にこだわる工事受注を徹底した結果、営業利益は328億93百万円となり前年同期の損失計上から回復した。経常利益は436億13百万円(前年同期比494・3%増)、純利益が304億96百万円(130・4%増)だった。
 単体の完成工事総利益(粗利益)率は5・6ポイント上回る8・1%と改善。「働き方改革を定着させるための生産・設計体制に考慮した。前期中間期は複数の大型欠損工事を受注し、多額の工事損失引当金を計上したが、個別に採算確保に対応し改善してきた」(森田章裕財務室長)。物価高騰や適正工期に対する顧客の対応も進んでいるという。
 業績の先行指標になる単体受注高(建設事業)は29・8%減の4795億45百万円。前年同期に相次ぎ受注した大型案件の反動減が響いた。
 24年12月期の通期業績見通しは減収減益。連結で売上高1兆5770億円(前年比2・2%減)、営業利益365億円(20・1%減)、経常利益505億円(14・8%減)、純利益425億円(13・4%増)を見込む。単体受注高(建設事業)は9350億円(33・0%減)、単体の粗利益率は7・1%(0・6ポイント上昇)を予想する。
 同社は今後の受注環境を「人口減少の影響で当社が強みとする事務所用途は少しずつ減るだろう。引き続きデータセンターや物流施設、半導体工場、高級ホテルなどが伸びるのではないか」(松下完次執行役員経営企画室長)と見て対応する。採算確保を見通しやすい1~2年程度の短工期工事の受注にも力を入れる方針だ。