大阪府/土木発注工事で月単位の週休2日確保、工事成績評定で加点

2024年9月2日 行政・団体 [10面]

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 大阪府は都市整備部と環境農林水産部の土木発注工事を対象に、月単位で週休2日を確保した場合に工事成績評定で加点する「週休2日工事制度」を導入した。原則として都市整備部の全工事と環境農林水産部の森林整備保全、自然公園、土地改良関連工事が対象となり、それぞれ8月までに実施要領を策定している。
 府は工期全体を通した通期の4週8休(現場閉所率28・5%以上)の定着に取り組んできたが、国土交通省の「週休2日の質の向上」施策を踏まえ、月単位での週休2日の確保を目指す。建設従事者の健康の向上、さらなるワーク・ライフ・バランスの改善などにつなげる。将来にわたり社会資本整備を持続していくため、労働時間が長く、休日数が少ない建設産業の担い手確保の取り組みを後押しする。
 週休2日工事制度の適用案件では契約時に受注者が「完全週休2日制工事」または「週休2日制工事」のいずれかを選択する。完全週休2日制工事を選択した受注者は月単位で現場の土日完全閉所を達成する必要がある。「振り替え休工」は月2回まで同一週内の平日に限り認め、悪天候による振り替えは認めない。
 条件を順守し対象期間内の全ての月で月内週休2日取得率100%以上を達成した場合、工事成績評定で加点するとともに、労務費補正を行う。補正係数は国交省の直轄土木工事と同じ「1・04」とする。
 一方、「週休2日制工事」では振り替え休工の月2回の上限設定がなく、悪天候の振り替えも認めるが、達成しても加点は行わない。
 農林関連工事は都市整備部とほぼ同様の取り組み内容だが、インセンティブは加点評価のみで農林水産省の取り組みに沿って労務費の補正はない。
 教育施設を含む府の公共建築工事は現時点で未導入。教育委員会の担当者は「学校は平日に稼働しており、土日や季節の休暇期間に工事を集中して行うケースも多い。導入は容易でない」といった見方を示す。