民間工事の休日取得・発注者業種で実態に差、まず妥当な工期確保を/国交省調査

2024年9月2日 行政・団体 [1面]

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 建設会社が2022年12月以降に請け負った民間工事を対象に、現場従事者が実際に取得できた休日を国土交通省が調査したところ、4週8休以上を取得できたとの回答が以前より増えていた。工期変更がなかった工事で4週8休以上は25・3%(22年1月以降に請け負った工事が対象の前回調査は14・1%)、工期変更があった工事でも17・4%(10・8%)だった。発注者の業種によって休日取得には差があり、例えば「運輸・交通」は4週8休以上が4割近く、「不動産業」は1割に満たないなどの実態も浮き彫りとなった。
 23年度の「適正な工期設定等による働き方改革の推進に関する調査」で建設会社に個別工事の実態を聞いた。工期変更がなかった工事904件と工期変更があった工事616件の回答結果を集計した。
 工期変更がなかった工事では4週6休が35・5%(32・6%)で最多。4週4休以下は15・8%(23・8%)、4週5休は12・4%(19・6%)で前回調査から休日が少ない現場も減った。工期変更があった工事でも4週6休が37・8%(32・6%)で最も多い。4週4休以下は19・6%(24・6%)、4週5休は13・5%(22・7%)だった。
 発注者の業種別(2桁以上の工事件数があった業種に限る)で見ると、4週8休以上は工期変更の有無にかかわらず「運輸・交通」が最多。工期変更がなかった工事で43・2%、あった工事で32・4%だった。工事件数が多い「製造業」は工期変更がなかった工事で18・9%、あった工事で20・0%と全産業の平均前後の水準。「不動産業」は工期変更がなかった工事で9・3%、あった工事でも8・6%と平均を下回る。
 当初の工期設定を「妥当」か「余裕がある」と評価したのは、工期変更がなかった工事で79・7%(71・7%)、あった工事で67・1%(65・1%)。休日が多い傾向にある「運輸・交通」では、工期変更がなかった工事で79・6%、あった工事で79・4%。休日が少ない傾向にある「不動産業」では、工期変更がなかった工事で61・6%、あった工事で53・1%にとどまる。
 調査結果からは工期の妥当性と休日取得との連動を読み取れる。発注者の業種ごとに異なる事情や慣習を踏まえながら、休日確保を前提とした適正工期の設定に向けた発注者との協議・交渉がより求められる。